「公害の原点」といわれる水俣病の公式確認から、4月1日で68年です。
熊本県水俣市では慰霊式が開かれ、患者や遺族、原因企業チッソの社長などが犠牲者へ祈りをささげました。
水俣湾を埋め立てた広場に建つ「慰霊の碑」の前で行われた式には、患者や遺族伊藤信太郎環境大臣など、約670人が参加し、犠牲者に祈りをささげました。
母親が水俣病の認定患者で、水俣市在住の川畑俊夫さんが、祈りの言葉を述べました。
患者・遺族代表 川畑俊夫さん
「犠牲になられた全ての命に追悼の意を表します。どうぞ安らかにお眠りください」
県内では鹿児島県出水市や阿久根市、長島町などの住民493人が水俣病と認定されているほか、1069人が審査待ちとなっています。
長島町から参加・水俣病被害者獅子島の会 滝下秀喜会長
「水俣病事件ですよね、振り返ると本当に…つらい感じで。もう一回、この水俣病の救済をお願いしたいということを、大事に伝えていきたい」
また、特別措置法による救済の対象外となった未認定患者が国などを訴えている集団訴訟では、2023年に大阪地裁が賠償を認める判決を出したものの、2024年3月には、熊本地裁が同様の訴えを棄却しています。
それぞれの裁判では控訴審が行われる見込みで、公式確認から70年近くがたった現在も水俣病の解決にむけた動きは道半ばとなっています。
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