10月から11月にかけて行われた日米共同統合演習「キーン・ソード25」は、九州をはじめとする広域で、自衛隊と米軍を中心に行われた。宮崎県延岡市では、「オスプレイが低空飛行していた」との目撃情報が複数寄せられ、住民から不安の声が上がっている。

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アメリカ軍の輸送機・オスプレイが住宅の上を飛んでいる映像。2024年10月、延岡市の住宅地でオスプレイが低空飛行をしていたという目撃情報が複数あった。飛行の高度は明らかにされておらず、住民からは不安の声が上がっている。

地響きのような音が…

動画を撮影した人に話を聞くと…

動画を撮影した井本公平さん:
通ったのは向こうから、山の左側を抜けていった感じ。低く飛ぶのでゴーという音がして、地響きがするような音がした。山の高さよりも低い時がある。沖縄で事故があったりもしているので、何か一言「飛びます」とか「訓練しています」とかがあればまだ良いと思うが、一番は低空飛行するのが怖い。

目撃情報は他にも。

目撃した人:
今まで聞いたことがないような大きい音だったので、何か日本で起きるんじゃないかというような恐怖を覚えた。何も知らされてなくて、すぐに職場でも何か訓練があっているのか調べてみたが何もなかった。あとでオスプレイだったと聞いたような状況。

目撃した人:
周辺に保育園や中学校があって、ちょうど保育園が行事で外に出ていたので、事故とかが心配。落ちたらどうしようというぐらいの低さだったので、それが一番気になった。できれば飛ばないで、住宅地を避けて飛んでいただけるとありがたい。

宮崎県が九州防衛局に確認し実態が判明

こうした住民の目撃情報は、県議会議員を通じて宮崎県に伝えられた。宮崎県が防衛省九州防衛局に確認してわかったのは、飛行していた機体は10月23日に始まった日米共同統合演習「キーン・ソード25」に参加しているアメリカ軍のオスプレイであるということだった。

ただ、今回の飛行は共同統合演習の一環ではなく、アメリカ軍が独自に飛行したものだということだ。宮崎県や延岡市に事前の連絡はなかった。

九州防衛局はアメリカ軍に対して、地域に与える影響を最小限にとどめるよう要請し、アメリカ軍からは、飛行に際して地域への配慮を継続すると、回答があったということだ。

宮崎県はこの報告を受け、九州防衛局に文書での事前の連絡と住民の生命と財産、生活環境が脅かされることがないよう、再度申し入れをした。

低空飛行の目撃情報は、10月だけではない。7月の映像では、かなり低いところを飛んでいる。延岡市では7月には8件、8月には2件、オスプレイの目撃情報が相次いだ。

オスプレイの風圧による被害も

延岡市古川町にある施設では、屋上にあったテントがオスプレイの風圧で壊れるという、オスプレイの影響とみられる被害が出た。

この施設では、障害のある子ども達へのデイサービス事業などを行っていて、テントはプールの時間の日よけとして使われていたものだった。

はーと介護 桑原英一会長:
かなり低かった。ものすごく低かった。水泳のために上ったら、テントは飛んで、骨組みは壊れていて、あのような状態になっていたということ。子どもがプールをあがった時と考えると、人命にも関わることだと思った。日本のためにやっているというのは分かるが、あの低さ、あの音というのは絶対ありえない。

延岡市によると、輸送機の低空飛行の目撃情報は、2014年頃から数年に1回程度はあったものの、これだけまとまったオスプレイの飛行はこれまでなかったということだ。

(テレビ宮崎)

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