地域に愛されたスーパーを受け継ぐ新しい形のコンビニエンスストアが22日、秋田県由利本荘市にオープンした。生鮮食品など、これまでのコンビニの枠を超えた商品を取りそろえ、過疎化が進む山あいの地域の新たな買い物の拠点として期待がかかる。
由利本荘市鳥海町にオープンしたのは「ローソン由利本荘鳥海町店」。
22日は関係者が集まり、セレモニーで開店を祝った。この地域に大手コンビニが出店するのは初めてだ。
実はこのコンビニ、1カ月ほど前までJA秋田しんせいグループの企業が運営するスーパーマーケットだった。鳥海町笹子地区で唯一の生活用品店として地域になくてはならない存在だったが、人口減少に伴い業績が悪化。存続のためにコンビニへの業態転換を決意し、由利本荘市沖で洋上風力発電事業を手がける企業がローソンとの橋渡しを担い、オープンにこぎ着けた。
コンビニは、スーパーに比べて少ない人数で営業できるほか、全国に物流網を持つメリットがある。
店の最大の特徴は、弁当や総菜など通常のコンビニで売っている商品はもちろん、野菜や魚、肉など生鮮食品も充実しているところだ。さらに、冷凍ケースには地域で親しまれている親鳥も販売されていて、まさに地域密着型の店になっている。
スーパーで取り扱っていた商品も並び、これまでと変わらない買い物環境が整っている。
開店を待ちわびていた地域の人たちからは、「今までは矢島や雄勝町に買い物に行っていたが、ここができてすごく便利になった」「いろいろ買いました。野菜から食べ物から。良かった、近くで買えるから」といった喜びの声が聞かれた。
豊富な品ぞろえが魅力のコンビニは、スーパー同様、地域住民に愛される存在となりそうだ。
他のローソンと同様、無印良品の商品も扱っていて、特に女性が喜んでいた。
ローソンは、小売業が撤退して買い物環境の確保が難しい過疎地域に出店する取り組みを進めている。由利本荘鳥海町店は、県内の他の地域のモデルケースとなりそうだ。
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