イギリスで開かれたビールの国際大会「ワールド・ビア・アワード」で、宮崎県延岡市のクラフトビールが世界一に輝いた。世界を舞台に活躍した地元ゆかりのイラストレーター・生賴範義さんの作品からイメージを膨らませ考案したレシピでの挑戦だった。
世界的イラストレーター・生賴範義さんとのコラボ
濃い琥珀色のビール。ラベルに描かれているのは、宮崎市を拠点に活動し、2015年に亡くなった生賴範義さんの作品だ。生賴範義さんは宮崎市にアトリエを構え、スターウォーズやゴジラなどの映画ポスターやSF小説の原画などを手がけ、世界的イラストレーターとして活躍した。その功績が認められ、文化庁の映画賞(映画功労部門)や宮崎県の文化賞も受賞している。
ビールづくりを通して地域の魅力を伝える
この記事の画像(9枚)延岡市にある「宮崎ひでじビール」は、宮崎の特産品を使ったビールを製造するなど、ビールづくりを通して地域の魅力を伝えることに力を入れている。
その一環として、2024年から6年計画で、宮崎にゆかりのある生賴範義さんの作品をイメージした商品開発をスタートさせている。
宮崎ひでじビール 永野時彦社長:
宮崎の地で、「世界に発信するものづくり」を、と言う部分で非常に共通項を感じた。深く生賴先生のことを勉強しながら、気持ちを察するというか、想像しながらビールの作品に詰めていこうとトライした。
イラストから香りや味のイメージを膨らませる
コラボ商品の第2弾が今回のビール。今回のベースは、SF小説「幻魔大戦」に登場する「戦士ベガ」。生賴さんが描いたイラストを基に、醸造士が香りや味などのイメージを膨らませ、レシピを考案したという。
宮崎ひでじビール 醸造士 森翔太さん:
すごくインパクトのある絵だと思って。お客様が、絵とこのビールがどうしたらリンクできるかを考えるのが結構大変だった。
森さんたちは、イギリス発祥で、ワインに近いアルコール度数のビール「バーレイワイン」のスタイルを採用した。
宮崎ひでじビール 醸造士 森翔太さん:
「戦士ベガ」の、どーんと立った姿を見て、よりインパクトのある味わいにしたいと思った。この背景、宇宙の華やかな色使い。多品種のホップを使うことで、複雑かつ弾けるようなアロマというのを表現した。
ワールド・ビア・アワードで世界一
半年かけて完成した「OHRAIバーレイワイン」は、2024年8月にイギリスで開かれた「ワールド・ビア・アワード」の「濃色バーレイワインスタイル部門」で世界一に輝いた。審査員は、ラベルや銘柄を知らされておらず、純粋に「味」が評価されての受賞だった。
宮崎ひでじビール 醸造士 森翔太さん:
バーレイワインの本場の国で世界一をとれたというのは、大変光栄で、すごく嬉しかった。
宮崎ひでじビール 永野時彦社長:
生賴先生の作品ありきでレシピを作り上げたので、間違いなく生賴先生の「魂」があってのこのビールの受賞というつながりを感じている。それは本当に嬉しかった。
宮崎ひでじビールでは、今後も生賴さんの作品とともに、宮崎発のクラフトビールの魅力を伝えたいとしている。
(テレビ宮崎)
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