医療機関を受診するのに欠かせない健康保険証。2024年12月2日からは現在の保険証の新規発行が終了して、マイナンバーカードに健康保険証の情報を紐づける「マイナ保険証」に移行する。メリットや課題、そして私たちがいつまでに何をしなくてはならないのか、改めて整理する。
<処方薬や健診情報が一目瞭然>
現在の健康保険証の新規発行終了を前に、11月25日に福島県白河市の白河厚生総合病院では「マイナ保険証を実際に使ってみる」体験会が行われた。
職員:違う病院にかかったとき、飲んでる薬なんですか?って聞かれるでしょ?
体験者:書かなきゃいけないんだよね、それが嫌でさ
職員:マイナ保険証では、それが一切不要になります
マイナ保険証の大きなメリットの一つは、過去のデータに基づいた医療が受けられること。これまで処方された薬や特定健診などの情報が記録されているため、この提供に同意すれば、医師や薬剤師にスムーズに・間違いなく伝えることができる。
<取得率は増加 しかし利用率は>
2024年10月末の時点で、全国の約4人に3人がマイナンバーカードを取得している。一方、2024年10月の1カ月間に医療機関で「マイナ保険証」が利用された割合は15%あまりにとどまり「マイナ保険証を使う」という行動が浸透しているとは言えない。
医療機関の利用者に話を聞くと「いまのところは手続きしてないので、持ってない」「作ってあるが、何にも言われないから前のやつを使っている。万が一、置き忘れたりすると困るから、必要であれば使うし、必要でなければ使いたくはない」との声が聞かれた。
<変わる受診の仕方>
現在の健康保険証は、有効期限が切れるまで最長1年使用できるが、それ以降は使えない。マイナ保険証がない人は、加入している保険の「資格確認書」が必要になり、国や自治体も変わる「受診の仕方」の周知を急いでいる。
福島県国民健康保険課の一條隼人さんは「まだマイナ保険証の利用に不安を抱いている方も多くいらっしゃるので、そうした方の不安を払拭できるように、利用のメリットや安全性について丁寧に説明をしていきたい」と話した。
<申請方法を説明>
マイナポイント第2弾で、2023年のうちにポイントをもらって、すでに健康保険証と紐づけている人も多いと思う。
マイナンバーカードを健康保険証として使うには、なにはともあれ、まずはマイナンバーカードの取得を。その後、マイナンバーカードを健康保険証として登録する。登録は、医療機関や薬局の受付にあるカードリーダーから行うか、スマホやパソコンからマイナポータルにアクセスして行う。またセブン銀行ATMでも登録可能で、健康保険証を利用する当日でもその場ですぐに手続きができる。
<メリットとデメリット>
一方でこの「マイナ保険証」はデメリットも指摘されている。福島市の高齢者施設では、入所者の通院・入院に備えて健康保険証をまとめて預かっているが、認知症などでそもそもマイナンバーカードを取得できていない人も多い状況だという。
暗証番号を含めた個人情報の管理に、どこまでリスクを負えるのかという課題も出てくる。
ただ、紹介したようにこれまでの薬や特定検診の情報を医療機関に正確に伝えることができるし、医療機関もマイナ保険証が読み取れれば情報を1つ1つ入力する手間が省ける。
現在の健康保険証が使えるのは最長で2025年の12月1日まで。それ以降はマイナ保険証か加入している保険の「資格確認書」が必要になる。
いずれにしても仕組みは変わるので、期限が切れる前に「今後どうすればいいか」をしっかりと確認してほしい。
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