多様性を受け入れるインクルージョン(社会的包摂)をテーマにしたファッションショー「HAKODATE COLLECTION 2024」が1日、北海道函館市役所の1階ホールで開かれた。障がいのある人とない人が交ざりあってランウェーを歩いた。
札幌市の道下夢子さん(29)は深い青を基調としたドレスをまとい、観客に向けてほほえんだ。統合失調症と診断されている。仕事は脳性まひやALS(筋萎縮性側索硬化症)などの人を対象にした訪問介護だ。昨年、このショーのオーディションに応募したが、函館での面接に行くには公共交通機関に長時間乗らなければならず、「1人だとパニックになるのが怖くてあきらめた」。今回は意を決して面接と本番の2回、初めて夜行バスと列車に乗ってやってきた。「ランウェーを歩けて輝けました」
昨年のショーで函館西高校放送局員として司会の1人だった笠原珠季さん(19)は、初めてモデルを務めた。「昨年は制服姿だったので夢のドレスを着られてうれしい」
ショーは今回で3回目。函館市女性会議(佐々木香会長)が防災に取り組むなかで障がい者とつながる機会を作ろうと、このショーを始めた。障がい者や難病の人にファッションを提案するデザイナーの鶴田能史(たかふみ)さんが衣装と演出を手がけてきた。
ショーの後、大泉潤市長から鶴田さんと、函館出身のパラアスリート辻沙絵さんに「インクルージョン未来アンバサダー」の委嘱状が手渡された。
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