中国のSNSに投稿されている日本各地の自治体の議場や庁舎の内部を映した映像。宮城県内では石巻市、多賀城市、白石市、塩釜市での投稿映像が確認されました。それぞれの自治体に確認したところ、いずれも無断で侵入して撮影されたとみられることがわかりました。このうち塩釜市では議場に鍵をかけたり、無断立ち入りを禁止する中国語の張り紙を出したりと対策に乗り出しています。

塩釜市議会事務局 石垣聡議会調査係長
「もともと公開している場所ではございますが、撮影については基本的にお断りしているところではございますので、正直驚いたところでございます」

中国のSNSに今年10月に投稿されたとみられる映像。中国語を話す男性の声とともに、塩釜市役所の内部を歩き回って撮影している様子が映し出されています。そこには職員の他に一般の来庁者の姿も…。

塩釜市によりますと、盗難などの被害は確認されていませんが、事前に申請はなく、いつ・誰が・なぜ撮影しSNSに投稿したのかは分かっていません。閉会中の議会の映像もあったということです。

塩釜市議会事務局 石垣聡議会調査係長
「照明等がついております。動画が撮影されたのは、おそらく議会終了直後ではないかと推察しております」

そもそも職員の目につかず、議場に行くことは可能なのでしょうか。

記者リポート
「議会事務局は庁舎の3階にあります。動画が撮影された傍聴席には、こちらの事務局を通さず行くことができる構造となっています」

傍聴席につながる階段は東側の階段のみ。実際に傍聴席まで案内してもらうと、この時は誰ともすれ違うことなく、たどり着くことができました。時間にして、わずか45秒。市も「想定外の出来事」だとして困惑の色を隠せません。

塩釜市議会事務局 石垣聡議会調査係長
「特に禁止事項も掲示しておりませんでしたし、もともと公開の場ということで撮影ということであれば、法には触れるものではないと考えています。しかしながら、例えば落書きなどいたずらされるリスクがございますので、今後は常時施錠することにいたしました」

12月2日から傍聴席の入り口は「常時施錠」。さらに、英語や中国語など5カ国語で無断の立ち入りを禁止する張り紙を掲示するなど、対策に乗り出しました。公共の建物とはいえ、無断の侵入と撮影に違法性はないのでしょうか。

仙台弁護士会 草苅翔平弁護士
「市役所ですと、市が管理者になりますし、町だったら町が管理者になります。おそらく無断で撮影行為をすることは管理権では認められていないので、それをする目的で建造物侵入罪が成立する余地があると思います。外国では許されているけれども、日本では禁止されている行為ってありますよね。それを日本で犯して自分の国では処罰されないと言っても日本では処罰されるのと同じように、ただ知らないっていうだけでは許されることにはならないです」

また、「プライバシーの侵害」にも当たるおそれがあるとしています。塩釜市は訴訟などの対応は検討していないということです。

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