老朽化や能登半島地震で被災したことで早期の建て替え方針が決まっている新潟市の鳥屋野球場。市の有識者会議は、鳥屋野潟南部エリアへの移転を提言したが、中原八一市長は現在の場所に建て替える方針を示した。有識者会議は20年後の将来構想も提言していたが、その計画の行方は…
有識者会議は“鳥屋野潟南部エリア”への移転提言
1963年に開設し、老朽化が進んでいたところに加えて元日の能登半島地震で被災した新潟市の鳥屋野球場。
この記事の画像(6枚)高校野球の公式戦などでも使用されていたことから、市は早期に建て替える方針を決めた。
この建て替え地をめぐり、市のスポーツ施設について検討する有識者会議は、ハードオフエコスタジアムのある鳥屋野潟南部エリアへの移転を提言。
ハードオフエコスタジアムのサブ球場として機能させることでのメリットを上げていたほか、現在の鳥屋野球場の跡地には陸上のトレーニング施設を。白山エリアには、球技専用スタジアムやアリーナを設置する計画を合わせて提言していた。
新潟市 “現在地”で建て替え「財政への負担など…」
しかし、12月3日の全員協議会で中原八一市長は「できるだけ早期の復旧や周辺環境への影響、財政への負担など様々な点から総合的に判断した結果、現地での建て替えとすることにした」と発表。
「鳥屋野潟南部エリアの既存市有地は、野球場が整備できる面積を有するものの、臨時駐車場や大規模イベント用地として活用している状況や周辺施設の将来的な拡張の可能性を考慮する必要があるなどの課題が判明した」と説明した。
また、新たに用地を取得する場合、民有地取得や水道などのインフラ整備に費用がかさみ、調整にも長期間かかることから、鳥屋野潟南部エリアへの移転を断念したという。
中原市長は「建て替えにあたっては、野球関係者や地域住民の声をしっかりとお聞きしながら、市民から親しまれ、利便性の高い野球場となるよう検討を進め、できるだけ早いオープンを目指したい」と話した。
陸上競技場・体育館は鳥屋野球場再建後に検討へ
一方で、現在の場所も駐車場不足による利用者からの不満が多い点や、大会時には渋滞を引き起こす問題などの課題が提示されていたが、市は球場規模や配置を工夫して対応するとしている。
市陸上競技場や市体育館も老朽化が進んでいるが、市は、まずは鳥屋野球場を再建させてから検討するとしている。
有識者会議が提言した将来構想は早くも暗礁に乗り上げた形だが、市の予算も限られる中、有識者の意見はどこまで反映させることができるのか…今後の行方が注目される。
(NST新潟総合テレビ)
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