「政治とカネ」の問題は、与野党が法案を相次いで提出する事態となっています。結果的にどれも成立せず、政治改革が進まない可能性も出ています。
■与野党が法案提出も…“可決”見通し立たず
自民党単独での法案提出 この記事の写真結局、自民党単独での法案提出となりました。
名称を「公開方法工夫支出」に変更使い道の開示義務がない「政策活動費」について、廃止することに盛り込んだ政治資金規正法の改正案。ただ、外交上の秘密に関わるなど「要配慮支出」として例外を設けていたものは、名称を「公開方法工夫支出」に変更して、第三者機関で監査する内容になっています。
議論は平行線のまま当初は与野党で公開の協議を行い、意見の集約を図りましたが、議論は平行線のままです。
共産党 塩川鉄也衆院議員「新たなブラックボックスを作るものではないのか」 日本維新の会 岩谷良平幹事長
「国民の皆さんが抜け穴だと思ったら、結局、信頼回復ということは達成できないと思う」
そこで野党は先週、7党が共同で過不足が生じても清算する必要のない「渡しきりの支出」を例外なく禁止する法案を提出すると、さらに9日も立憲民主党が「企業・団体献金」を禁止する再改正案を提出するなど、政治改革を巡る法案が相次いで出されました。
この状況に専門家は次のように話します。
「両方否決される可能性がある」 政治ジャーナリスト 田崎史郎氏「野党7党の案も自民党案も、両方否決される可能性があります」 与党側も野党側も議席が過半数に達していない
衆議院の議席を見ると、法案を提出した与党側も野党側も、過半数に達していません。このままでは、どの法案も成立しない恐れがあります。
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■キャスティングボート握る…れいわ新選組■キャスティングボート握る…れいわ新選組
そんななか、注目されるのが、れいわ新選組の対応です。
「れいわ新選組がキャスティングボートを握っている」 田崎氏「野党7党が成立するために、あと5議席が必要。れいわ新選組が賛成すれば成立します。れいわ新選組がキャスティングボートを握っているという形です」
そのれいわ新選組は、今のところ野党案にも否定的です。
「結構抜け穴があるんじゃないか」 れいわ新選組 高井崇志幹事長「よくよく見てみると、結構抜け穴があるんじゃないかと。『渡しきり費じゃない』と言って、事実上、政策活動費と同じものを出すことはあり得るのではないか」 「政治改革が進まないことは避けたい」
しかし、法案が通らず、政治改革が進まないことは避けたいとも考えています。
れいわ新選組 高井幹事長「法案が通らないという事態、何も変わらないという事態だったら、それよりはマシな100点じゃなくても、50点でも賛成するということはあると思うので。そこはよく考えたい」
■今後は?専門家「合意する道を探っていく」
10日から審議が始まる政治改革の特別委員会。今後の展開は、どうなるのでしょうか?
「なんとか合意する道を探っていくのでは」 田崎氏「『与党も野党も何してるんだ』『合意形成できないのか』と、(成立できなければ)両方が国民から責められる。各党のスタンスが違って、今の段階で妥協できない状況。まだ会期末までに10日余りありますから。なんとか合意する道を探っていくのでは」
(「グッド!モーニング」2024年12月10日放送分より)
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