千葉の名前が入り、日本の地名が入った唯一の地質時代「チバニアン期」(約77万4000年前~約12万9000年前)の命名のきっかけとなった千葉県市原市田淵の地層を仮想空間「メタバース」で見学するサービスを同市が始めた。無料で体験できる。【浅見茂晴】
市は窓口のデジタルサービス化推進の一環で、デジタルキャラクターのアバター(分身)を利用し、仮想空間「メタバース」で、複数の人が同時にオンラインコミュニケーションができる仕組みを作っている。今回、市民のメタバースへの関心や利用実態を把握するため、見学サービスを企画した。
チバニアン見学の起点となる「ビジターセンター」から地層までの見学路は約500メートルで、舗装されているのは途中まで。また、地層は養老川の河原にあり、高低差は約50メートルある。現地を訪れることが困難な高齢者や子育て世帯にも魅力を知ってもらおうと、アバターを活用してチバニアンの様子を伝えることも狙う。
企画には、情報工学や情報メディア学が専門の千葉商科大学(市川市)・鎌田光宣教授とそのゼミナールの学生らの協力を得た。NTTグループが提供する仮想空間プラットフォーム「DOOR」を2025年3月31日まで検証期間として利用する。市は、チバニアンの仮想空間にガイドや専門家らを配置して、集客イベントなどを実施することも予定している。
また、市はチバニアン以外の観光資源を活用した仮想空間を新たに構築し、市民がメタバースを利用しやすい環境の整備を進めていくという。小出譲治市長は「あらゆるコンテンツを活用して、市をアピールしていきたい」と話している。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。