秋田市の秋田県立大学では、「学びに早いも遅いも関係ない」と65歳以上の現役シニアの大学生が1年間、学生生活を送ってきた。8日は、1期生が勉学の成果を披露した。
「いつでも青春キャンパス」と題した取り組みは、秋田県立大学と秋田魁新報社が企画した生涯学習プログラム。65歳以上の高齢者15人が、2023年5月から1年間、在学生とともに日々の研究や学外活動に励んだ。
例えば、新しい発酵食品の製品化に向けて県内のさまざまな場所で野生の酵母を採取したり、「自分好みの理想のコーヒーの条件」というテーマで豆・水の種類や温度の組み合わせを研究したりした。
また、勉強だけではなく、ヨガ教室などを通じてキャンパスライフを満喫してきた。
8日は、卒業式に先立って、それぞれが取り組んだ研究や学習の成果を発表した。1期生の最高齢は76歳で、潟上市に住む伊藤伸子さんだ。
シニア大学生・伊藤伸子さん:
「庶民が一生のうちに着物を新調するのは一度か二度。ほとんどが古着。この古着も洗い張りをしてまた作り直すなど、徹底的に使った」
伊藤さんは、徹底したリサイクルでエコな社会を築いていた江戸時代の暮らしを研究した。
シニア大学生・伊藤伸子さん:
「江戸時代の長屋の人たちのように、困ったら助け合う、支え合う、優しい同情心、結いの精神。このことこそ、時代を超えて、江戸も令和も変わらず持ち続けたいと再認識した学びの時間だった」
最後に伊藤さんは手作りのメッセージも披露し、クラスメート全員に感謝を伝えた。
伊藤さんに「年齢を重ねても勉強が必要なのか」改めて聞いてみると、伊藤さんは「やったほうがいいに決まっている。ぼけません。やっぱり一生勉強。書く・読むだけの勉強ではなく、専門的なことを勉強するのは人として必要」と明るく語った。
2024年度は、2期生として新たに15人を受け入れる。
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