お見合いの申し込みを連打
ふみお(37歳、仮名)は、見た目が爽やかで清潔感があり、大手メーカーに勤めていて、年収も600万円弱ある。お見合いは、スムーズに組めるタイプだった。毎月3~4人の女性とお見合いをし、そのうち50%くらいの確率で仮交際に進むことができていた。
しかし、1~2度デートをすると、決まって女性からお断りがきた。
お断りがくると不安になるのか、その後は一気に20件、30件と申し込みをかけ、新たなお見合いを成立させていた。なので、常に3~4人と並行して、仮交際をしている状態だった。
あるとき、女性の相談室の仲人からこんなお断りの理由がきた。
「お見合いの後に、2度ほどデートをさせていただきました。お会いするたびに、毎回同じ質問をしてくるので、女性が話したことを覚えていないようです」
さらに、別の女性の相談室からは、こんなお断りの理由がきた。
「彼女の趣味や仕事について、的外れな質問をしてきたとか。ほかの仮交際をしている女性と間違えているのではないか、とのことでした」
看護師の女性なのに、「小学校の先生って、給食も一緒に食べるんですよね。嫌いなものが出てきたときには、どうするんですか?」と聞いてきたという。
つねに複数と交際をしているので、何を聞いたかを忘れて同じ質問をしたり、女性のプロフィール情報が入れ替わってしまったりするのだろう。
筆者は、ふみおに言った。
「1つひとつの交際を、もっとていねいにしていきましょう。入会時に、女性とデートをしたら、どこに行ったか、何を食べたか、どんな話をしたか、デート記録を付けるように申し上げましたよね。デート記録は付けていますか?」
恋愛をほとんどしてこなくても、条件のいい男性が婚活を始めると、思いの外お見合いが組めてしまう。しかし、恋愛経験がないので深い人間関係を築いていくのが苦手で、うわべだけの浅い交際を繰り返してしまう。
恋愛経験のない男性にとって、場数を踏むことも大切なのだが、結婚は10人の女性とするわけではない。出会いの数を重ねるよりも、大切に人間関係を育んでいくことに重きを置くほうが、婚活はうまくいくのだ。
50代で高年収「写真非公開」
たつや(53歳、仮名)は、婚活歴3年。年収4500万円の自営業者だ。筆者の相談所での活動は1年になるのだが、サイトに登録するときに「写真は非公開にしてほしい」と言った。
「もしクライアントさんが登録をしていたら、仕事柄、顔がわかるのはまずい」というのが、非公開にする理由だった。
筆者は言った。
「仮にクライアントさんが見つけたとしたら、逆に親近感を覚えて、お申し込みをしてくださるのではないですか?」
しかし「知り合いに知られるのはまずい」と、かたくなに写真公開を拒んだ。
写真非公開を望むのは、自意識過剰なタイプが多い。自分はほかの婚活者とは並列ではいたくないという思いもある。
ただ、経歴は素晴らしく年収がいいと、写真非公開でも女性からの申し込みはかかる。子どもがほしいたつやは、40~50代の女性からの申し込みには見向きもせず、30代女性から申し込みがかかると、お見合いを受諾していた。
一方で、自分からは申し込みをかけようとはしなかった。申し込みをスルーされたり“辞退”で返されたりするのは、彼のプライドが許さなかったのだろう。
30代の女性とはお見合いを繰り返していたのだが、結婚まではたどり着けずにいた。
「なかなかいい女性がいませんねぇ」とたつやは言うのだが、写真非公開の50代男性に申し込みをしてくる30代女性は、高年収にひかれているのだ。お金目当ての若い女性とお付き合いに入っても、よい関係が築けるはずがない。
口を開けば自慢話
さとる(48歳、仮名)は大学卒業後、大手企業に就職をしたが、30歳を過ぎて独立し起業した。ゼロからのスタートだったが、着実に実績を積み重ねていって、現在の年収は1800万円ある。
仕事柄、初対面の人とも物おじせずに話し、会話の話題を振ったり、会話をリードしていったりするのは得意だったので、お見合いから、交際に入る確率は高かった。しかし、そこから2~3度デートをすると、女性からお断りがきた。
お断りの理由は、こんなものが多かった。
「とてもご立派な仕事をしているようですが、口を開けば、『自分は普通のサラリーマンよりも稼いでいる』『仕事ができる』と自慢話をなさるようです」
「破天荒な生き方をされてきたようで、若い頃はいかにヤンチャしてきたかを語られることに、好感が持てなかったようです」
デキる男アピールや、若い頃のヤンチャ自慢は、聞いているほうがイタい気持ちになる。
さよ(38歳、仮名)が、お付き合いをしていたあきら(41歳、仮名)に交際終了を出してきた。その理由がこうだった。
「2度ほどデートしましたが、お酒を飲んで酔いが回ってくると、昔自分がいかに女性にモテていたかという、モテ自慢が始まるんです。『付き合っていた女性が別れたくないと言って、家に押しかけてきた』とか、『会社の前で待ち伏せされて、まいった』とか。そんなにモテていたのに、どうして現在独身で、婚活をしているのでしょうか」
男女ともに、過去にモテていた話をお酒の席などでする人がいるが、モテ自慢をされたところで、聞いている側は鼻白んでしまう。本当にモテていたら、今頃は幸せな家庭を築いているはずだ。
過度なスキンシップをとってくる
ゆみ(29歳、仮名)は30歳を前に、大学時代の友だちが次々と結婚していくのを目の当たりにし、本気で婚活をする決意をした。ただ実際に結婚相談所での婚活を始めてみると、女性慣れしていない男性が多いことに驚いていた。
「デートのお店も決められない、会話もリードできない人ばかりに当たっています」
そんななかで、ひでき(31歳、仮名)は違っていた。お見合いを終えて、ゆみは声を弾ませながら言った。
「これまでで一番楽しいお見合いでした。交際希望がくるといいなぁ」
そして希望通り仮交際に入った。ところが、2度ほどデートすると、ゆみから「交際終了でお願いします」という連絡がきた。
「初回デートの帰り道、なんだかわざと暗い人気のないところに行こうとしたんです。だから、私から『駅はこっちですよ』と言って、広い通りに出ました。そうしたら、駅で別れるときにふっと腰を引き寄せられて、びっくりしました」
さらに、2度目のデートのとき……。
「エスカレーターに乗ったら、『きれいな足だね』と言って、太ももをスウーッと撫でてきたんです。そのとき膝丈だったスカートが少しめくれました。なんだか気持ち悪くて、背中がゾクッとしました」
この連載の一覧はこちら結婚相談所は、軽いノリの合コンや出会い系アプリとは違う。女性は真剣に結婚相手を探している。まだ男性への気持ちが育っていないうちに過度なスキンシップを取られると、それは違和感でしかない。
いかがだっただろうか。ほかにも服装や髪型に清潔感がない、ネガティブな会話しかしないというのも、成婚できない男性あるあるだ。
婚活がうまくいっていない男性は自身の婚活を振り返って、思い当たるところがあったら、改善してみるといいのではないか。もちろん、それは女性にも言えることではあるが。
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