県内では山菜採りで山に入る人の遭難が相次ぎ、死者も出ている。安全に山菜採りを楽しむためにはどうすれば良いのか…、私たちがすぐにできる対策を聞いた。

山菜採りシーズンの4月から6月は、毎年、山岳遭難が急増する時期。
県内で去年1年間に発生した山岳遭難は68件。そのうち山菜採り目的は全体の2割で、4人の死者が出ている。
県警によると、山菜採りで遭難する人のほとんどが「高齢者」だという。

(県警本部地域課・氏家泰彦次長)
「過去5年間で山菜採りに伴って遭難した人の平均年齢は74歳。それ以外の一般的な登山の遭難は平均55歳、その差20年」

今年、県内ではすでに7件の遭難が発生。その平均年齢は「79歳」と、やはり高齢者に偏っている。
5月1日には、尾花沢市で山菜採りに行った80歳の男性が沢に転落して死亡した。

警察の担当者は、「ベテランになればなるほど慣れによってつい気が緩む」とした上で、「山菜採りは、登山などと比べてもかなり危険な行為だと自覚してほしい」と指摘する。

(県警本部地域課・氏家泰彦次長)
「山菜採りは決められた山道を行って帰ってくる登山ではなく、山道から外れてやぶを入っていく。どうしても山菜を求めて山深く入ってしまい、知らない所まで行ってしまって戻れないという遭難が多いと考えられる」

そのため、安全に山菜採りをするためには「事前の備え」が絶対に必要。
備えの1つ目は、「行き先を告げること」。家族などに自分の行き先などを必ず伝えておくことで、捜索する際の手がかりになる。
2つ目の備えは「携帯電話」。

(県警本部地域課・氏家泰彦次長)
「遭難者の位置がわからない場合は、ピンポイントで場所が絞り込めれば捜索がものすごく効果的にできるので、スマートフォン・携帯電話を持って、自分の位置は『緯度・経度ここです』と言ってもらえると、捜索・救助する確率が飛躍的に上がる」

実際、8日に山辺町で遭難した80歳の男性は、携帯電話のGPS機能で車の位置が判明し、無事に救助された。
この男性は携帯電話を車に置いていたが、警察は「携帯電話は肌身離さず身に着けていた方が早期発見につながる」と話す。

3つ目の備えが「非常食」。
5月7日に山形市で救助された77歳の男性は、自分が採った山菜を食べて空腹をしのいだが、警察は非常食を用意しておくことが命を守る上で大切だと呼びかけている。

(県警本部地域課・氏家泰彦次長)
「過去には6日間、山で自分で持ってきた食料を食べて見つかった方もいる。非常食を持って山に入ることはとても大事」

山菜採りはひとつ間違うと命に関わるということを忘れずに、山に入ることが大切。

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