「商魂たくましい面白ニュースという面もあるのでしょうが、はたしてそれだけでよいのでしょうか」
4月21日配信の記事「観光庁も後押し 月刊『ムー』が『日本不思議再興計画』で地域活性化」に、宗教社会学が専門で、カルト問題なども研究してきた文教大学教授の塚田穂高さんは、こうコメントした。
記事では、オカルトや都市伝説などあやしい話でおなじみの月刊誌「ムー」が、全国に散らばるミステリースポットをたずね歩く「ムー旅」を提唱していることを紹介。バスツアーなどを企画し、観光庁も支援していることを伝えた。「あやしい観光資源」に対し、観光庁の担当者が「確かに反対の声はあるが、都会の人が地方を訪れる、よいきっかけになる可能性を秘めている」と期待する声もあわせて紹介した。
コメントで塚田さんは、過去には「根拠や効果が不明確であるなど『オカルト』『疑似科学』的だと考えられているもの」を公的機関が採用して、問題視されたケースがあったと指摘。「真正性や効能を信じる特定の団体が推進しているもの」を公的機関が採用すれば、非常に広い意味での「政教分離」に関わる問題とも言えるのでは、とも言及した。
その上で塚田さんは、今回の「あやしい」旅について、もちろん民間企業が企画するのは基本的に自由だとした上で、国や自治体がサポートするなど「そこに公的支援が投入されること」への疑問を提示。「なんでもかんでもとにかく観光客が結果的に来ればよいのでしょうか。考えてみるべきことだと思います」と結んだ。
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