秋田県大仙市の印刷機メーカーが人工知能(AI)を搭載した新たな印刷機を開発した。ペーパーレスやインクなどの節約、二酸化炭素の排出の削減にもつながる。
今回新たに開発された「オフセット輪転印刷機」は、インクジェットプリンターなどのデジタル印刷機とは異なり、宝くじや宅配便の伝票など向けに開発された。印刷に欠かせない水やインクの量をAIが常に管理し、印刷の際に廃棄される紙、いわゆる「損紙(そんし)」を抑えることができる。
開発した大仙市に本社を置く印刷機械メーカーの宮腰精機は、市内に3つの工場を構え、オーダーメードで印刷機の開発・製造を手掛けている。
宮腰精機国見工場・藤原鈴司工場長:
「現状の印刷会社の課題は、1年間に捨てる紙が1億円も出るという話しもある。長年の知識と経験で水とインクの供給のバランスを取ることが非常に難しく、印刷不良の増加が印刷会社の経営に大きな影響を及ぼしている」
通常の印刷機では、熟練した作業員がみたとしても1割ほどの「損紙」が出ていた。しかし、AIが搭載された印刷機を使うと、損紙の割合をこれまでの半分ほどに抑えられ、紙やインクなどの節約、二酸化炭素の排出削減にもつながる。
宮腰精機・宮腰亨社長:
「これからは秋田県内から、日本の印刷市場をはじめ、海外の印刷市場に向けて発信していきたい」
印刷機は経済産業省の事業に採用されたため、総事業費約1億円のうち、3分の2を国から補助を受けて開発した。
宮腰精機は5月、スペインの印刷会社に印刷機を納入する予定で、2027年の完全自動化に向けて研究・開発を進めていきたいとしている。
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