新潟県三条市では例年この時期見ごろを迎えるヒメサユリの花が激減し、地元では動揺が走っています。可憐なヒメサユリの花が例年の1割ほどしか咲かないという異常事態…その理由を取材しました。
三条市の高城地区の里山に咲くのはヒメサユリの花です。
ヒメサユリは新潟県や福島県などに自生し、毎年5月ごろにピンク色の花を咲かせる植物で、環境省が準絶滅危惧種に指定する稀少な植物です。
5月15日にヒメサユリ祭りが始まる中、訪れた人からは「去年と比べると花が少ない」「もっといっぱい咲いていると思ったがなくなっていたり咲いていないものが多々あった」という花の少なさを惜しむ声が上がりました。
ヒメサユリ祭り実行委員会によると、原因はシカなどによる食害で、ヒメサユリが例年の1割ほどまで激減したと見られるということです。
越後三条高城ヒメサユリ祭り実行委員会熊倉芳和会長は、5月8日に例年通りのヒメサユリのつぼみを確認しましたが、「14日にまた確認に来たら最後の群生地が全て花がなくなっていて、言葉が出なかったです。これは何が起きたんだと」と驚きを口にします。
シカとみられる動物は開花した花びらだけを狙い食べたとみられ、例年なら多くの花が咲くというポイントには5月15日の時点で全く花が見られませんでした。
こうした被害は2024年に突如発生したため、熊倉会長は5月14日に急遽、動物が嫌がる光を放つライトを設置するなど被害の拡大防止に努めています。
花が激減した影響で5月15日に始まった祭りは5月末までの開催予定でしたが、19日で打ち切ることに。
地元の高校生は「防ぐ方法はないのか調べてみたいなと思った。ヒメサユリは綺麗で大事な花なのでなくなって欲しくない」と話しました。
熊倉会長は「私たちも先輩から引き継いだものです。自然を守りながら、来客する皆さんに楽しんでもらえる形に持って行きたいです」と今後への想いを口にしました。
熊倉会長は食害対策として監視カメラの設置などを検討しているということです。
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