今週末は広く日差しが届き、季節先取りの暑さになる予想です。注意したいのが熱中症、今の時期から始めてほしい熱中症対策、「暑熱順化」について取材しました。
(道行く人)
「汗ばむ…暑い!」
6月上旬並みの暖かさとなった5月14日の津山市。路上の空気がゆらめく陽炎が現れました。気温が急激に上昇する5月。注意してほしいのが熱中症です。
熱中症のピークは例年7月・8月ですが5月から熱中症が増加していることが分かります。夏本番までにできる熱中症対策として今注目されているのが、体を暑さに慣らす「暑熱順化」です。
目的は汗をかきやすい体をつくること。熱中症は体内にこもる熱が原因となりますが、発汗により熱の放出を促すことができるためです。真夏の炎天下でも重装備で人命救助に当たる消防隊では隊員を熱中症から守るため、「暑熱順化」に特化した訓練が行われています。
(岡山市消防局 警防部警防課 今田健介消防司令補)
「消防隊員は夏場の暑い環境下でも 防火服を着て行くので。非常に熱ストレスを受けやすく 熱中症になるリスクが非常に高い。夏を迎えるこの時期から 暑さに耐えられるよう、暑熱順化訓練をやっている。」
隊員は、普段の活動時に着用する防火服の下に雨がっぱを着用。この状態で約40分間、ランニングします。
(岡山市消防局 警防部警防課 今田健介消防司令補)
「熱順化訓練で 汗をかきやすい体を作ることが、熱中症には効果的。」
(隊員は)
「暑熱順化訓練は非常にタフな訓練だが 夏場の災害現場はこれ以上に暑くなる。今からしっかり暑さに慣れるための体を 準備していくことが重要。」
「自分たちが倒れてしまっては 要救助者を救えない。自分たちが暑さに慣れて 有効な活動ができるよう心がけていきたい。」
この暑熱順化、日所生活でも取り入れることができます。日本気象協会が推奨しているのが軽く汗をかく運動です。ウオーキングや湯船にゆっくり漬かるなど汗をかく習慣を心掛けることが「暑熱順化」に有効ということです。
5月10日に消防庁が発表した全国の熱中症による救急搬送人数は664人で、2023年の同じ時期に比べて約1.6倍に増加しています。「暑熱順化」には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。
本格的な夏を前に暑さに強い体づくりで熱中症のリスクを減らしましょう。暑熱順化のために運動する際は、水分・塩分補給を忘れないでください。また、激しい運動をする必要はなく、無理のない範囲で行ってください。暑いと感じたら、エアコンを使用するようにしてください。
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