学校法人名古屋自由学院が運営する名古屋芸術大=愛知県北名古屋市で2024年4月9日午後、川瀬慎一朗撮影

 名古屋芸術大(愛知県北名古屋市)の来住尚彦学長(63)からセクハラを受けたと複数の女子学生が訴えている問題で、大学を運営する「学校法人名古屋自由学院」の川村大介理事長が19日、保護者らで組織する後援会の定期総会に出席し、「ご心配をおかけして申し訳ない」と陳謝した上で、改めて保護者説明会を開くことを約束した。総会には来住学長は出席しなかった。

 関係者によると、総会は学内で開かれ約100人が出席。川村氏は後援会長に促されるかたちで問題の経緯を説明したが、具体的な調査結果や「処分すべきハラスメントが行われたとは認定できない」と結論付けた理由は語らなかった。

 質疑応答の時間はなく、川村氏は「今までの説明は歯切れが悪いと受け止められていると承知しているが、学生を守りたいとの思いは保護者と同じ。ご理解いただきたい」などと述べるにとどめた。

 これに対し、後援会長は「『ハラスメントはなかった』というところは腑(ふ)に落ちず、保護者としては納得できない」として、改めて保護者の前で説明するよう要請。川村氏は「『調査内容は非公開』を前提としているので公開ができない」と予防線を張った上で、「話せることがあれば話す」と応じた。

 来住学長のセクハラ疑惑を巡っては、調査委員会が学生に対する一部行為を「セクハラに該当し得る」「不適切」などと指摘していたことが毎日新聞の取材で判明している。

 総会後、長女が芸術学部に通う母親は「女子学生が多い大学で、保護者同士でも『不安だ』との声が大きい。学生に対しても誠実さがなく、セクハラをなかったことにしてはならない。説明会ではしっかり話してほしい」と不信感をあらわにした。【川瀬慎一朗】

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