6月から8月にかけて紫外線が特に強くなりますが、日焼けや、シミ、シワといった肌の老化の原因となり、多くの人が嫌がる存在です。紫外線が肌に与える影響について皮膚科医に聞きました。
この時期気になる紫外線。しっかり対策している人もいると思いますが、なぜ紫外線はシミなどの原因になるのでしょうか。そもそも紫外線は体に悪いのでしょうか?
太陽から地上に届く紫外線には、UVAとUVBの2種類があります。これらは私たちの肌にどんな影響を及ぼすのか、福井大学病院・皮膚科 尾山徳孝(おやま・のりたか)医師に教えてもらいました。
まずは、シミやそばかすを増やす「UVB」について、尾山医師は「皮膚は大きく分けて三層構造になっている。表皮、真皮、そして我々が脂肪と言っている皮下組織。UVBは表皮と真皮の比較的浅いところまでしか到達しない。日焼けしたときに真っ赤になり、ヒリヒリとした灼熱感があり、刺激感があるのがUVBの特徴。比較的浅いところで生じる変化」と説明します。
シミやそばかすを増やすのもUVBの作用です。「そもそも紫外線が皮膚にあたると、炎症を起こす。炎症が起きると、皮膚はいったん壊れる。特に表皮と真皮の間の膜が壊れると、ここからメラニン色素やメラニンを持つ細胞が転がり落ちる。表皮の中にあるうちは垢となって落ちるが、真皮の中に落ちてしまうと、シミとなって長期間残ってしまう」と尾山医師。
次に、「UVA」は、肌の潤いを奪い、シワを作る原因となります。尾山医師は「UVAは深いところまで到達するので、ゆっくりとダメージを与える。光が当たることによって各細胞が持っている遺伝子が壊れてしまい、修復できないような状態が長く続くことがある」とします。これにより肌のハリや弾力、きめの細かさが失われ、シワも増えるというのです。
肌の老化に大きくかかわる紫外線。尾山医師は、紫外線にはオールシーズン気を付ける必要があるといいます。雨の日、晴れの日に関わらず、20~30%の紫外線が照射されていて、曇りの日や日陰でも、太陽光線は反射するので、肌の事を考えるなら、どこにいても遮光を考えながら生きていかなければならないというのです。
日常対策としては以下の3点が挙げられます。
▼日焼け止めを塗る(午前・午後の2回塗るのがおすすめ)
▼帽子や長袖の着用
▼紫外線量が特に多くなる午前10時~午後2時は外出を控える
一方で、紫外線には体にとって大切な作用もあると尾山医師は言います。「骨や関節など、骨格を守ってくれるビタミンDを、日光によって作ることができる。過度に浴びなければ、むしろ新陳代謝も高まるし、皮膚の免疫力も活性化できる。悪いものではない」と説明します。
紫外線が特に強くなる、6月から8月にかけて、適切な紫外線対策をして、健康的に過ごしましょう。
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