道路を疾走し、田んぼに逃げ込むクマの姿を捉えた。5月19日クマの目撃が相次いだ福島県猪苗代町では、建物への被害、観光施設への影響が出ている。

19日午前11時頃、猪苗代町堅田で撮影された映像。
田んぼに堂々と入り込むクマ、近くでは田植えも行われていたうえに、道の駅などの観光施設もあり一時騒然とした。

19日に猪苗代町で目撃されたクマは4件。
道の駅近くの田んぼで発見されたクマは捕獲されたが、20日もまだ影響が続いている場所も…
福島テレビ・佐藤弘崇記者:「目撃があった猪苗代町の迎賓館は、本来この時間開いているのですが、きのうのクマ出没を受けきょうは臨時休館の措置がとられています」

国の重要文化財に指定されている福島県迎賓館も19日クマが目撃された場所のひとつ。幸いにも当時来訪者はいなかったが、安全のため今日は休館している。

町内でクマによるけが人は確認されていないものの、民家の倉庫では窓ガラスを割られる被害も。倉庫の持ち主は「あわや鉢合わせ」の恐怖を感じている。倉庫の被害を受けた家の男性は「多分ガラス割って出ていったんじゃないかなと思う。これ足跡とか、(クマが)上がった跡じゃないか?もちろんおっかねえな。中に仕事しているときに入ってこられたら当然怖いよね」と話す。

猪苗代町では、20日も新たにクマの目撃情報が寄せられた。警察や町は、付近の警戒を続けている。

<クマを指定管理鳥獣に>
クマによる被害は2023年度、全国で相次いだ。
環境省によると、令和5年度のクマによる人身被害は198件、統計が残っている約15年間で最も多くなった。ツキノワグマの生息域は15年間で約1.4倍に拡大したと推定されている。
このような背景を受け、環境省は4月、本州のツキノワグマと北海道のヒグマを「指定管理鳥獣」に追加した。この追加により国の交付金を活用して捕獲や生息状況の調査を行い、数を管理することが出来るようになった。
一方、福島県内のクマの目撃件数を見てみると、2024年に入ってから5月19日までで96件と2023年を上回るペースとなっている。

これから山登りやキャンプなどのシーズンが本格化する。
環境省では「クマが遠くにいると気づいた場合には、こちらの存在を知らせる物音を立てるなどして注意して立ち去る」ことを推奨している。
お出かけの際は、周りにも注意して安全に楽しんで。

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