京都鉄道博物館(京都市下京区)で神戸~大阪鉄道開業150周年記念展「関西鉄道時間旅行―近場旅の魅力再発見」が開催されている。神戸―大阪に1874(明治7)年5月、日本で2番目の鉄道が開業して以降の関西の鉄道発展の歴史を紹介している。
展示室には天井川の下を通し、71年に完成した日本初の鉄道トンネル「石屋川隧道(ずいどう)」(神戸市)を模したゲートをくぐって入る。明治期をテーマとした最初の展示室は初代の神戸、大阪駅を写した特大のパネルや開業当時の錦絵が入場者を迎える。
明治末期から昭和にかけての鉄道の近代化をテーマにした部屋は、437枚もの鉄道絵はがきをパネルにして円筒形などに並べた展示が圧巻だ。京都駅や洛中の昔の様子もしのばれる。絵画「二代目神戸駅」、実業家の膳(かしわで)末次郎氏が1933年に欧米視察のため、大阪駅から神戸港駅まで鉄道に乗り、貨客船で渡航する際に当時の沿線風景などを写した映像は今回が初公開。有名寺社や遊園地を結ぶなどして近畿一円に鉄道が広がっていく様子が紹介されている。
戦後から高度成長期にかけて、旅行のための手段にもなった鉄道の紹介では、時代を彩ったポスターやパンフレット、50種類の「ディスカバー・ジャパン駅スタンプ」、北陸方面への特急「雷鳥」、急行「ゆのくに」など今はない列車のヘッドマークが見られる。87年のJRグループ発足後の鉄道旅紹介では、ミラーボールとお立ち台というバブル期の装いで当時活躍した車両の模型を展示。トワイライトエクスプレスで使われた重厚な実物のヘッドマークや、福知山駅を起点に「ビッグXネットワーク」を形成した特急「はしだて」「きのさき」「文殊」「北近畿」のヘッドマーク復刻版も展示され、150周年記念の各種グッズなどとともに展示を盛り上げている。
同館の遠山由希子学芸員は「鉄道マニアもファミリー層も楽しく見られる展示を目指した。かつて『見たよね』というものをここで見つけてほしい」と話している。
7月7日まで。入館は午前10時~午後4時半。水曜休館。入館料は一般1500円など。同館(0570・080・462)。【矢倉健次】
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