愛媛県の砥部町で特産の七折小梅の収穫が24日にスタートしました。100年以上の歴史があり、柔らかい果肉と高い糖度が人気の特産品。しかし今年は「経験したことがない不作」が産地を襲っています。

内木敦也キャスター:
「毎年この時期には木全体にたくさんの実をつけるんですが、ついている実はまばら。そして普通はついている実で枝葉も垂れ下がるんですが、これも上を向いて伸びています」

今年も収穫が始まった砥部町七折地区で始まった特産「七折小梅」。組合の20軒の農家が栽培しています。しかし産地では、枝に沿って手のひらをずらして採れるのは1個程。例年なら5~6個は採れるといいます。

ななおれ梅組合・竹内勝代表理事:
「私は経験したことのない不作なんです。おそらく50年の間でこういう年はなかったと思う」

記録的な不作。この原因はウメにとって悪い条件が重なったと分析。ウメが体力をつける9月の時期に雨が全然降らず栄養不足のまま休眠に入った上に、暖冬のため例年より早く開花を迎え、さらにこの時期に雨が続いたこと受粉作業がうまくいかなかったといいます。さらに元々弱っていた木が一気に実を落としたなか…。

竹内勝代表理事:
「そんな中でまた少ない実が最近台風のような風が吹きまして、枝が揺られて実が落ちた」

悪い条件が何重にも重なった産地。今年の収穫量は約5トンが予想され、例年の1割程度。組合全体の売り上げは4000万円の減収が見込まれているといいます。しかし品質は申し分ないということです。

竹内勝代表理事:
「残っている実は、実の数が少ないので玉太りは非常にいい。それに、内容についても申し分ないものが残っていると思っています」

産地の生産者たちは人の手で変えようがない天気を相手に、高い品質を求め日々栽培に取り組んでいます。4年程前からは、実の付き方が良い新しい木を毎年1ヘクタールずつ植え替えているということです。

収穫作業は6月2日まで続く予定で、愛媛県内のほか九州や関東、関西方面に出荷されるということです。

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