天候不順などの影響で野菜の価格が高くなっている。中でもキャベツは例年の倍の価格に。これに悲鳴を上げているのがキャベツを大量に使うお好み焼き店だ。仕入れ値が高騰する中、人件費を削り対応しているという。その現場を取材した。
多くの野菜が値上がり「高すぎる」
農林水産省によると、国内の主要卸売市場の平均卸売価格は1kg当たり、ハクサイは2023年に比べて約1.7倍の116円。ダイコンは約2倍の172円。キュウリは約1.4倍の314円と、多くの野菜で2023年の価格を大幅に上回っていた。
この記事の画像(9枚)新潟市西区のスーパーを訪れた客からは「野菜サラダが好きだから買うが高すぎる」「野菜…控えている」などの声が聞かれた。
なぜ?キャベツは一時600円に…
中でも、キャベツの高騰は顕著だと高井栄二朗店長は言う。
「キャベツは4月から値段が上がり始めて、5月の初旬に一番値段が高くなった」
一時は、ひと玉600円だったというキャベツ。5月23日現在、この店では300円台まで落ち着いたが、それでも、例年の倍の価格だ。
価格高騰の理由は春の天候にあった。
「春キャベツが4月に流通するが、出荷の時期に気温が高かったみたいで、前倒しで出荷が終わってしまった」
さらに、その後も気温が下がったことで出荷が鈍り、品薄状態に拍車がかかったという。
スーパーは1/2カットで対応
こうした中、人気が続いたのはカットされたキャベツ。
高井店長は「高いときは4分の1でも、8分の1でも、手に取りやすいよう工夫して店に出している」と話す。
キャベツを買った女性は「キャベツは生で千切りとか色んなものに入れる。どうしても、やっぱり冷蔵庫に入っていないと」と話した。
お好み焼き店も悲鳴「代わりは…」
キャベツの高騰によって頭を抱えているのは、大量のキャベツを必要とするお好み焼き店も。
新潟市中央区にあるお好み焼き店の川村正文代表は「メインの商品なので、やられたなあという感じ。代わりのもの、お好み焼きだとキャベツ以外には考えられないので…」と話す。
開店前、大量のキャベツを仕込んでいた川村代表。キャベツが高騰してもお好み焼きに使う量は変えていないという。
「やっぱり満足感が変わってくる。サイズが変わってくると」
それでも現状は厳しく「400円を超えないようにとは願っていたが、ついに来た。400円前後まで来てしまった。2倍ですね…」と嘆く。
値段据え置きのため「人件費で対応」
価格が倍になるだけでなく、スーパーによっては個数制限を設けるところもあり、今はスタッフができるだけ安いところを探して仕入れている状況だという。
「夜は私ひとりで人件費かからないような形でやっているので、そこら辺で対応している。人件費で対応するしか方法がない」
仕入れ値が上がる中、お好み焼きの値段を変えないため人件費を削っていると話す川村代表。
値段を据え置く理由については「安くて・おいしくて・ボリュームあってというのが自分の生きがい。そういうポリシーがあるので貫きたい。それだけ」と話した。
キャベツの価格は今後、夏キャベツが流通することで下がっていくと見込まれている。
(NST新潟総合テレビ)
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