岸田文雄首相は26日午前、韓国・ソウルで開かれる日中韓首脳会談(サミット)に出席するため、羽田空港から政府専用機で出発した。岸田首相は空港で記者団に「地域の平和や繁栄に大きな責任を持った3カ国の首脳が一堂に会して議論することは、地域にとって大きな意義がある。胸襟を開いて率直に意見交換を行い、未来志向の実務協力で一致したい」と語った。

 27日の日中韓サミットを前に、首相は26日午後、中国の李強(リーチアン)首相と初の正式な個別会談に臨む。この会談の意義については「戦略的互恵関係、そして建設的かつ安定的な日中関係の方向性を確認して、大局的な視点から会談を行っていきたい」と話した。

 首相は李氏との会談で、東京電力福島第一原発の処理水放出を受けた日本産水産物の禁輸措置の撤廃などを求めつつ、経済協力や人的交流、台湾海峡の平和と安定の重要性などを確認したい考えだ。

 首相と韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領、尹氏と李氏の個別会談も予定されている。日中韓サミットは2008年から定期的に開いてきたが、新型コロナ拡大の影響などで中断し、およそ4年半ぶりの開催となる。(南有紀)

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