6月20日告示、7月7日投開票の東京都知事選を巡り、都議会では28日、小池百合子知事に都民ファーストの会と公明党が出馬を要請し、自民党が連携を確認する動きがあった。一方で、既に出馬表明した立憲民主党の蓮舫参院議員を支援する立民と共産党は、小池都政からの転換の必要性を強調し、対立構図が浮かび上がった。(渡辺真由子、三宅千智、中山高志)

蓮舫氏の都知事選出馬表明について質問に答える小池百合子都知事=5月27日

 「『裏金問題のある自民党に支援される小池知事』という、単純化したレッテルを貼ろうとしている」。小池知事に出馬を促した都民ファの森村隆行代表は語気を強めた。念頭にあるのは「反自民・非小池」という蓮舫氏の発言。「都政と国政の抱える課題は別物」とくぎを刺した。  同様に出馬要請に臨んだ公明の東村邦浩幹事長は、高校授業料の実質無償化や、第2子以降の保育料無償化などの成果を強調。「小池都政をリセット」という蓮舫氏の言葉について「全部リセットしたら都政にとってマイナス」と指摘した。  自民は都知事選や都議補選での連携を視野に、菅野弘一幹事長ら執行部が小池知事と面会。同席した都連幹事長職務代行の三宅茂樹都議は面会後、「今後も都政でコミュニケーションを密にやっていこうと確認した」と説明した。

都知事選出馬を決め、記者会見に臨む立憲民主党の蓮舫参議院議員=5月27日

 共産の和泉尚美幹事長は取材に、「リセット」発言について「小池都政が都民のための政治を行っていないということ」と説明。「財界の要求に限りなく応えるという点では自民の政治そのもの。『反自民』を掲げた初当選時の姿とはまるで違う」と述べた。  立民の西沢圭太幹事長は取材に対し、「パフォーマンスが前に来る小池知事のやり方は是正しないといけない」と強調。「蓮舫氏は小池知事に知名度で負けず、(国会などで)追及してきた人。公開討論会で議論を戦わせれば軍配が上がるはずだ」と話した。 

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