政治資金規正法の改正を巡り、立憲民主党などの野党は自民党が29日に示した修正案に「ゼロ回答」と反発した。衆院政治改革特別委員会に岸田文雄首相が出席し、説明するよう要求した。与党側は回答を保留し、与野党は結論を持ち越した。
立民など野党4党は①企業・団体献金の禁止②政策活動費の廃止または領収書の全面公開③議員の責任強化――の3点を求めていた。
自民党は修正案に他党の主張の一部を取り入れた。政策活動費について費目ごとの使途だけでなく、議員が支出した時期を月単位で公開して透明性を高めるという内容だ。
企業・団体献金の禁止に関しては困難との考えを伝えた。議員の責任強化についても、議員に「確認書」の提出を義務づける案を堅持した。議員に会計責任者と同等の罰則を科す立民と国民民主党の提案を「現実的でない」(自民党の大野敬太郎氏)と退けた。
立民の笠浩史国会対策委員長代理は「ゼロ回答だった。本当に遺憾で、再考を促したい」と酷評した。国会内で記者団に語った。
自民党は規正法改正案の月内の衆院通過を目標とする。公明党に加え、日本維新の会と国民民主党の主張を取り入れ、幅広い合意をめざす。
修正案には、規正法違反があった議員が所属する政党の政党交付金を減額する制度の検討が新たに盛り込まれた。これは国民民主が主張してきた。古川元久国会対策委員長は記者会見で「評価したいが、枝葉でいうと葉の部分で、これで了とはできない」と主張した。
日本維新の会の藤田文武幹事長は記者会見で、自民党の修正案の政策活動費について「完全に骨抜きだ。ブラックボックスを温存する意思表明だ」と語った。
野党は公明党にも批判の矛先を向けた。立民の泉健太代表は党会合で「公明党は自民党案に賛成するとの話がある。また同じ穴のむじなに戻っていくのか」と話した。藤田氏は「結局は政権与党の運営を優先する。公明党は国民の厳しい評価を受ける」と指弾した。
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