自民党の財政健全化推進本部(古川禎久本部長)は4日、政府への提言案を公表した。日銀がマイナス金利政策を解除したのを踏まえ「財政運営はもはや低金利を当然の前提にできなくなりつつある」と指摘した。金利が上がると国債の利払い費が増え、財政が悪化するリスクに警鐘を鳴らした。

2025年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を黒字にする目標を堅持し、26年度以降もPBの黒字幅を確保するよう求めた。感染症や災害などを挙げて「有事に備える観点から財政余力を確保する視点も重要だ」と明記した。

古川氏は日銀の利上げで財政リスクが高まると記者団に言及した。「政治が目の前の火を見て見ぬふりをするのではなく、きちんと正面からリスクと向き合うと示すことが肝要だ」と強調した。

自民党で積極財政派が集まる財政政策検討本部(西田昌司本部長)も4日、提言案をまとめた。PBの25年度の黒字化目標について「固執することを断固反対する」と主張した。財政健全化を前提に歳出を抑制すると「経済成長を阻害して逆に財政再建が遅れる」と訴えた。

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