◆日英伊3カ国の政府間機関「GIGO」設立条約の承認案
次期戦闘機の共同開発機関の設立承認案が可決された参院外交防衛委(千葉一成撮影)
採決では自民、公明両党のほか、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が賛成。共産党や参院会派「沖縄の風」は反対した。 立民の福山哲郎氏は4日の質疑で、GIGOの運営ルールに関し、承認案が成立した後に3カ国の協議による「別途の取り決め」で定めるとする記述が目立つと指摘。「国会で審議するには不透明な点が多すぎる」と訴えた。 承認案では、日英伊3カ国の代表で構成する運営委員会の責任の範囲や意思決定の手続きのほか、輸出を円滑にする仕組み、作業計画の具体的な活動分野など17カ所が「別途の取り決め」に回され、内容が明かされなかった。◆「別途の取り決め」だらけ…「よく通ったな」
次期戦闘機の第三国輸出は海外での紛争を助長しかねない。憲法の平和主義にもかかわるため、国際機関の手続きであっても国会のチェックは欠かせないが、詳細が固まっておらず、熟議の機会を失った。福山氏は運営ルールに関する協議がまとまり次第、国会に報告するよう要求。木原稔防衛相は「できる範囲で公表していく」と述べるにとどめた。 政府は本年度中のGIGO本部設置までに「別途の取り決め」の策定を目指す。木原氏は開発総経費の見積もりや、第三国輸出を容認した経緯の詳細も明らかにせず、福山氏は「本当に分からないことだらけで、よく自民党の部会で(承認案が)通ったなと思う」と語った。 4日の採決に先立つ反対討論で、沖縄の風の高良鉄美氏は「重要事項に関わる内容が『別途の取り決め』に委ねられ、白紙委任になっており、政府の身勝手と言わざるを得ない」と批判した。 日英伊3カ国は2035年の次期戦闘機の配備を目指している。承認案には輸出促進が明記されており、政府は3月に武器輸出ルールを緩和し、日本から第三国への輸出を解禁した。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。