岸田文雄首相は16日の子ども政策に関する衆院特別委員会で、公的医療保険料に上乗せされる「子ども・子育て支援金」を企業も拠出することについて「賃上げを阻害しない」と述べた。社会保障の歳出削減で「実質的な負担を生じさせない」と重ねて強調した。
公的医療保険のうち、会社員らの被用者保険では企業と従業員が原則折半で支援金を拠出する。首相は「税制をはじめ、あらゆる政策を動員し、中小企業を含め賃上げを促進している」とし、支援金の影響はないとした。物価高などで経営が苦しい企業からは批判を招きそうだ。
少子化対策については「児童手当の抜本的な拡充など長年指摘されて実現しなかった施策を盛り込んだ。スピード感を持って実行する」と述べた。
立憲民主党の藤岡隆雄氏は、支援金を「子育て増税だ」と批判。個人の徴収額に関する政府の試算公表を「小出しで不誠実」と指摘した。
徴収額は医療保険や収入によって異なり、首相が当初説明していた2028年度に平均月額「500円弱」を上回るケースもある。
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