立憲民主党の吉田統彦衆院議員は7日、自身が代表を務める党支部に寄付し、所得税減額の優遇措置を受けていたことを明らかにした。記者団に「適切な行為だ」と主張したが、自身の見解を一方的に語るのみで質問には応じず、その場を立ち去った。

 毎日新聞は7日付朝刊で、吉田氏が2020年~22年、自身が代表の「立憲民主党愛知県第1総支部」に計5千万円を寄付し、所得税の一部を控除される優遇措置を受けていたと報道した。

 吉田氏は7日午後、国会内で記者団に対し、寄付による優遇措置を受けていたと認めた。一方、医師や大学教官としての収入などが原資であり「裏金の寄付や税金還流にはあたらない」として、問題はないとの見解を示した。

税優遇、立憲代表は「ふさわしくない」

 しかし、立憲の泉健太代表は5月29日のBS番組で、この優遇措置を受けている立憲議員はいないとの認識を示し、「自分に利益が戻ってくる話で、ふさわしくないというのが政界共通のルールだ」と指摘していた。

 これまでに、自民党の菅家一郎衆院議員や稲田朋美幹事長代理らも同様の優遇措置を受けていたことが明らかになっている。6日に衆院通過した政治資金規正法改正案では、この手法を優遇措置の対象から外す「検討」が盛り込まれた。

 吉田氏は国会内で記者団が事実関係を問いただした際、自身の見解を約2分間述べただけで、そのまま立ち去ろうとした。記者が質疑に応じるよう繰り返し求めたが、「(質問は)書面でください」と答えるのみで、国会近くの議員会館の自室に入った。

吉田氏事務所「今後も書面で行いたい」

 その後、朝日新聞社がなぜ直接質問に応じないのか書面で問いただしたところ、吉田氏の事務所は7日夕になって「事前のアポイントはなく、記者からその場で対応を求められたので、応答した。今後も質疑応答は真摯に誠意をもって、書面で行いたい」と書面で回答した。(大久保貴裕)

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