政党から議員個人に渡され公開義務のない「政策活動費」をめぐり、9日のNHKの討論番組では、野党側から見直しの検討項目の実施時期を明確にするよう求める意見が相次いだ。しかし、自民党の稲田朋美幹事長代理は「早く検討に入っていく」と述べるにとどまり、具体的な実施時期を明言しなかった。
自民がまとめた政治資金規正法改正案は、公明党、日本維新の会との党首会談で修正合意し、6日に衆院を通過した。ただし、焦点の一つである政策活動費をめぐっては、領収書の10年後の公開や支出を監査する第三者機関の設置など、いずれも付則での検討項目とされ、具体的な実施時期も決められていない。
この点について、立憲民主党の岡田克也幹事長は「(第三者機関の)チェックがないまま制度が始まってしまう。期限を切って議論をしてもらいたい」と要求。国民民主党の浜口誠政調会長も「早期に明確化すべきだ」と述べた。
法案に賛成した党からも政策活動費の検討項目の実施を急ぐべきだとの発言が相次いだ。公明の石井啓一幹事長は「(改正案が施行される)2026年1月1日には大半の検討が終わっている状況にしていくことが望ましい」とし、第三者機関について「早期に立ち上げ、施行日に間に合わせたい」と提案。維新の藤田文武幹事長は「(公開を)やることは法律に明記された。詳細設計は必ずやらなければならない」とクギを刺した。これに対し、稲田氏は「早く検討に入っていく」と述べるにとどめ、検討項目の実施時期を明言しなかった。
また、岡田氏は番組で、岸田文雄首相の政治責任の取り方について「自ら総辞職するか、(衆院を)解散すべきだ」と主張。稲田氏は「古い自民党から脱却しなければ、本当に見放されるという強い危機感を持って改革を進めていく」とした。(藤原慎一、大久保貴裕)
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