栃木県鹿沼市長選が9日、投開票され、無所属新顔で前県議の松井正一氏(58)が、無所属新顔で歯科医の小林幹夫氏(70)=自公推薦=を破って初当選した。

 松井氏は民主党や立憲民主党の県議、県連幹事長を長く務めた。陣営には立憲や連合栃木の支援者のほか、共産や一部保守系の市議も入り、支持層を広げた。

 今改選で引退を表明した現職の佐藤信市長も民主党県議や党県連幹事長を経て4選しており、松井氏は後継の位置づけだった。選挙戦では「佐藤市政をベースにしながら発展を」などと訴えた。

 元自民党県議の小林氏は市政の転換姿勢を明確にし、「市内の閉塞(へいそく)感を打破しないといけない」と強調。自民党所属の衆院議員、県議がまとまって支援に入るなど保守層の結束を呼び掛けたが、党派閥の裏金事件で逆風となる中の選挙戦となり、届かなかった。

 投票率は52・72%だった。(重政紀元)

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