「大阪都構想」の是非を問う3回目の住民投票について、日本維新の会の馬場伸幸代表は11日、「具体的なことを決めているわけではない」と述べ、早期の実現を目指しているわけではないとの考えを示した。国会内で記者団に語った。
大阪市をなくして特別区に再編する大阪都構想は、2015年と20年の2回の住民投票で僅差(きんさ)で否決された。
しかし、馬場氏は9日配信のネット番組で「地方を自立させる議論をもう1回惹起(じゃっき)するため、チャレンジは日本にとって大事だ」と述べ、3回目の住民投票実施に意欲を見せた。また、過去の住民投票の投票権が大阪市民に限られていた点について、「(都構想が実現すれば)大阪府と市の税金を一緒に使っていこうということ。だから府民の皆さん方にも聞くべきだ」と主張。住民投票について定める大都市地域特別区設置法(大都市法)の改正に言及した。
馬場氏は11日、記者団に「具体的なことを決めているわけではない」としたうえで、「今までのルールとは違う形で大阪都構想を実現していくことを考えている。(3回目の住民投票の)環境が整うように準備していく」と改めて意欲を示した。
しかし、党内には住民投票をめぐる温度差がある。音喜多駿政調会長は同日の記者会見で「わが党は統治機構改革という旗は降ろしていないものの、3回目の都構想についてはいったん立ち止まっている状況だ」とし、あくまで馬場氏の個人的な意見だと強調。「法律を改正して(投票権)の範囲を広げることを考えているわけではない」とも説明した。(小林圭)
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