岸田文雄首相は12日、調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開に向けた関連法改正について、「早期に結論を得たいとの思いは変わっていない」と述べた。一方、「具体的な実現時期は合意文書に記載されていない」とも言及しており、今国会での法改正を求める日本維新の会は反発を強めている。

 首相官邸で記者団に語った。首相は5月31日の維新との党首会談で、旧文通費について「前向きに議論を行い、使途公開と残金返納を義務付ける立法措置を講ずる」との合意文書をかわし、政治資金規正法改正案の衆院採決で維新の賛成を取り付けた。

 だが、旧文通費の今国会での法改正をめぐっては、自民の浜田靖一国会対策委員長が11日に「日程的に見ると厳しい」と発言。首相の判断が問われる中、23日の会期末が迫る状況に自民幹部は「もう駄目だ」と語る。

 維新は態度を硬化させている。規正法改正案を審議する12日の参院政治改革特別委員会で、維新の東徹氏は「(旧文通費と)パッケージでやってきた。このままでは(参院採決で)賛成できない」と断言した。(南有紀、小林圭)

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