安定的な皇位継承に向けた与野党協議をめぐり、衆参両院議長は、今国会の会期末を目指すとしていた「立法府の総意」のとりまとめを先送りする方針を固めた。各党の主張の溝が埋まらず、合意形成にはさらに時間が必要だと判断した。
与党関係者が明らかにした。政府の有識者会議は2021年末の報告書で、皇族数の確保について「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持」「旧宮家の男系男子が養子として皇族復帰」の2案を提示した。これを受けて今年5月から衆参両院議長と各党代表者らによる協議が始まり、額賀福志郎・衆院議長は6月23日までの今国会の会期中の意見集約を目指す方針を掲げていた。
だが、協議では皇族数の確保が喫緊の課題であることはおおむね一致したものの、論点が定まらず、全体での協議は一時中断となった。
衆参両院議長は14日にも個別の意見聴取を始め、「立法府の総意」に向けた取り組みを加速化させる方針だというが、具体的な進展は見通せない。自民党の関係議員は「皇位継承の議論は丁寧にやらないといけない」と語る。(小手川太朗、藤原慎一)
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