任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)が16日投開票され、自民党や公明党、日本維新の会など玉城デニー知事を支持しない勢力が28議席と過半数を獲得した。改選前に比べて4議席増やした。玉城氏の県政運営や2026年の知事選にも影響を与えそうだ。
玉城氏は17日未明、記者団に対し「真摯に反省しなければならない。これから議会の要求も強くなるだろう」と述べた。投票率は45.26%と前回を1.70ポイント下回り、過去最低を更新した。
改選前は共産党や立憲民主党、社民党など知事を支持する勢力が24議席、支持しない勢力が24議席(議長含む)と拮抗していた。知事与党は20議席と改選前に比べて4議席減らした。
米軍普天間基地(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設については公明党も反対しており、改選前は反対派が過半数を占めていた。移設を容認する自民党などが議席を伸ばし、反対派と容認派が24議席で並んだ。
沖縄県議会は予算案や基地関連の訴訟提起を巡り、採決に加わらない議長を除く1票差で議決される例が相次ぐ。23年10月には知事への問責決議案を1票差で否決した。今後は知事の施策が否決される可能性が高くなり、県幹部は「これから大変だ。公約の実現へ頑張るしかない」とため息をつく。
公明党や維新は知事を支持しない半面、中立の立場をうたう。公明党は2議席から4議席に倍増し、維新も現有2議席を維持した。知事与党が過半数を割ったことで、玉城氏が中立派との政策調整を探る場面もありそうだ。
辺野古移設は国が代執行する形で1月に地盤改良工事に着手した。関連する裁判は県の敗訴が続く。22年の知事選は玉城氏が大差で再選したものの、首長選は保守系候補が連勝している。県議選の結果は次の知事選の行方を大きく左右しそうだ。
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