経済同友会の新浪剛史代表幹事は18日の記者会見で、経団連が選択的夫婦別姓制度の導入を政府に求める提言を今月公表したことについて、「経団連と考えていることは同一。ぜひとも一緒になって進めていきたい」と語った。

 世界で夫婦同姓が強制されている国は日本だけだとされる。新浪氏は「一つの姓を選ばなければいけないという非常に不都合なことがずっと放置されてきた。働く仲間の多くが不都合を感じているのだから、早期に解決してもらいたい」と制度の導入を強く求めた。

 岸田文雄首相は17日の衆院決算行政監視委員会で、法制審議会(法務相の諮問機関)が制度導入を答申してから28年が経つことについて「議論の長さが問題ではない」と主張。「国民の理解、幅広い議論を大事にしなければならない」と従来の姿勢を崩さなかった。

 新浪氏は「政治が前向きに解決をしないのであれば、経済界がもっとモノを言っていかなきゃいけない」「経済界が大きな声を一つにして上げていく」とも述べ、経団連と協力して政府への働きかけを強める必要があるとの考えを示した。

 経済同友会も3月、制度の早期実現を求める要望書を政府に提出している。(木村裕明)

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