東京都知事選が20日告示され、17日間の選挙戦が始まった。届け出が受理された候補者数は同日午前で、過去最多だった前回選(22人)を超えた。都選管が事前に用意したポスター掲示場は48枠。立候補を準備する候補者は50人を超える。ポスターの枠は足りるのか。実務を担う選管関係者が固唾(かたず)をのんで立候補の届け出を見守った。
20日朝、立候補の届け出を受け付ける東京都庁には、候補者陣営の関係者が続々と訪れ、午前10時45分までに23人の届け出が受理された。だが、前日までに届け出に必要な書類の内容確認を終えた候補者は54人で、届け出が受理される候補者がさらに増える見込みだ。
仮にポスター掲示場の48枠を超える候補者が立候補すれば、市区町村選管の混乱も予想される。
掲示場は、都選管の指示を受けて市区町村選管が設置を担う。ある区選管の担当者は数週間前から枠が不足した際の増設について都選管に問い合わせているが、「告示前日になっても返答がない」と焦りをにじませる。
区内には約400の掲示場がある。1カ所あたりの設置から撤去までの費用は7万~8万円ほど。設置には10日ほどかかった。担当者は「設置してある掲示場の全てを増設して対応していくのは時間がかかり、(業務上)かなり厳しい。早く方針を示して欲しい」とため息まじりに話す。
別の区選管担当者は「今回は枠が不足しそうで、ずいぶん前から都選管に『増設すべきだ』と散々言ってきたが、全く指示がない」とあきれる。それでも、掲示板は4段組みではなく3段組みを採用し、後付けで下部に枠を増設できるよう支柱が長めのもので作ったという。
過去には、2016年6月公示の参院選東京選挙区(改選数6)で、用意した30の枠が足りず、各地の選管がベニヤ板を急きょ継ぎ足して対応した。(武田遼、中村英一郎)
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