20日に告示された鹿児島県知事選で、県選挙管理委員会が投票を呼びかけるために作成したポスターの一部が、急きょ差し替えられた。「他力本願」という言葉をめぐり、仏教関係者から抗議を受けたためという。

 ポスターでは、「犬知事」や「おやじギャグ知事」といった架空の知事を並べ、「知事って、誰でもいい?…わけない!!」と、投票を呼びかけている。その中で「鹿児島がもっと良くなりますように!!」と手を合わせる人物を「他力本願知事・ほかだよりひこ」として登場させていた。

 県選管によると、19日に地元の仏教関係者から、「他力本願とは、仏さまの生きとし生けるものを救わずにはおれないという強い願いのはたらきという意味で、ポスターでの使い方は適当でない」と抗議があった。

 これを踏まえ、県選管は同日、「他力本願知事」を「人まかせ知事」に訂正すると決めた。この言葉を含むポスター約160枚を刷り直し、同じ内容で用意していた動画の文言を差し替えた。

 担当者は「他力本願は一般的に、『他人まかせにすること』という意味で使われることが多く、今回もそのつもりだった」と釈明。刷り直したポスターは今後、市電や市バスの中づり広告として使うという。(福井万穂)

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