記者会見する「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首=国会内で(佐藤裕介撮影)

政治団体「NHKから国民を守る党(NHK党)」の立花孝志党首は21日の記者会見で、東京都知事選の立候補者が過去最多の56人となり、ポスター掲示場のスペース(48人分)が足りなくなったことについてコメントした。 NHK党を含む立花氏の関連団体は今回、計24人を擁立し、候補者数を大きく底上げしている。

◆都選管の対応は「100点満点、あっぱれ」

都選挙管理委員会は、届け出が49番目以降の候補者にA3判のクリアファイルや画びょうなどを支給し、既設の掲示板の端に取り付けるよう要請する異例の対応に踏み切った。 立花氏は、都の対応を「100点に近い。あっぱれ東京都選管」と称賛。クリアファイルでポスターを貼ることになった候補者には「同情票が入るんじゃないか」と述べた。 立花氏は、多数のポスター掲示場を設営することが300万円という高額の供託金の一因になっていると主張し、「追加の予算がほぼクリアファイルと画びょう代で収まった。しき習慣を改正する問題提起となったことに満足している」と語った。

◆「売却」済みは1000~1500カ所

NHK党は今回、一定の金額(現在は2万5000円)を寄付すれば、都内約1万4000カ所にあるポスター掲示板のうち1カ所で、寄付者が独自に作成したポスターを最大24枚貼れるという活動をおこなっている。 立花氏によると、これまでに1000~1500カ所程度を「売却」済み。ただ、「売り上げ」は1000万円に満たないとみられ、候補者24人分の供託金7200万円には達していない。 立花氏は、さらに寄付者を募るため「営業努力をしていく」と話した。

NHK党が「販売」した掲示スペースが同一デザインのポスターで占められた掲示場=20日午後、東京都千代田区で

◆「ポスター掲示場は不要」というポスターの掲示も

不適切な内容のポスターが貼られた場合は、「情報提供いただければ、直ちに確認の上、はがす」と説明。報道陣から、ある掲示場では女性向け性風俗店のポスターが貼られているとの指摘を受けると、「後で場所を教えていただければ、はがしに行く」と答えた。 立花氏は、その上で「『ポスター掲示場はいらない』という意見が圧倒的に多い」とも指摘し、「『町のあちこちに(選挙ポスターを)掲示するのは違うでしょう』ということを訴えるポスター」の掲示も検討していると明らかにした。

◆蓮舫氏に「恩義はある」が「投票はしない」

立花氏は19日に自身のYouTubeチャンネルで、過去に国会でNHK受信料問題を取り上げてくれた「恩義がある」として、蓮舫前参院議員=立憲民主党を離党=を支援する考えを表明。「NHKに受信料を払わないという人は完全に蓮舫さんを応援しなければならない」と呼びかけていた。 これについて、21日の記者会見では、3選を目指す小池百合子知事と蓮舫氏の「どちらがましかで投票する方がいいですよと言ってるだけの話。私は当然、蓮舫さんには投票しない」と説明。NHK党の公認候補1人の名前を挙げて、その人物に投票するつもりだと語った。

◆蓮舫氏が勝てば「国民が革新政党の危険性に気づく」

立花氏は19日のYouTubeチャンネルで、蓮舫氏にとって共産党の支援を受けることは「マイナスでしかない」とも指摘し、共産党に対し「蓮舫さんの都知事になってほしいと思うなら黙ってて下さい」と求めていた。 これに関しては、「共産党が(国の)政権に入ることはやはり危険だ」とした上で、「革新政党が日本のかじ取りをするようなことがあってはならないと(国民に)気づいてもらうためには、あえて今回、蓮舫さんが勝った方が、国政という意味では安全じゃないかということを含めて、蓮舫さんの方がいいと思いますよとご提案している」と述べた。(佐藤裕介) 

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