第213通常国会が事実上閉幕し、衆院本会議場で一礼する閣僚ら。上段左から6人目は岸田首相=21日午後

 「政治とカネ」が主要議題となった通常国会が21日、事実上閉幕した。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて会期末に成立した改正政治資金規正法は「抜け穴だらけ」と批判を浴び、岸田文雄首相にとって厳しい政権運営が続く。9月の党総裁選をにらみ、首相は憲法改正や物価高対策を掲げて求心力回復を狙う。衆院解散・総選挙は総裁選以降に先送りされる公算が大きい。党内で首相後継の「ポスト岸田」候補の動きが始まり、官邸側は「岸田降ろし」を警戒する。

 首相は国会閉幕に合わせた記者会見で、総裁選出馬や総裁選前の衆院解散、内閣改造の考えを問われ「先送りできない課題に取り組み、結果を出す。これ以外は考えていない」と明言を避けた。一方で「気力はみなぎっている」と強調した。

 物価高には「二段構えの対応」を表明した。喫緊の対策として電気・ガス料金の補助、ガソリンなどの燃油価格抑制策を挙げ、秋には経済対策を策定し年金世帯や低所得者を対象に給付金支給を検討すると説明。政権継続に意欲をにじませた。

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