日本医師会は22日に会長選を実施し、現職の松本吉郎氏(69)の再選が決まった。元副会長の松原謙二氏(67)を前回の選挙に続いて破り、2期目に入る。同日付で就任し、任期は2年間となる。
日医は国内の医師のおよそ半数にあたる17万人ほどの会員をかかえる。政権与党の自民党を支持する有力な組織のひとつだ。医療に関する政府の会議のほぼ全てに役員を出し、社会保障政策に深く関与している。
岸田文雄政権は児童手当の拡充といった少子化対策のための巨額の予算確保を進めようとしている。医療など社会保障に関する既存の支出を見直す方針で、松本氏は今後も政権与党の政策に向き合うことになる。
松本氏は埼玉県医師会所属の皮膚科医で、日医では2016年から常任理事を務めた。22年の会長選で初当選した。
医療現場の人手不足対策や長時間労働の是正も課題にあがる。都市部や特定の診療科に偏った医師の偏在への対応も急務で、政府は21日に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に総合対策を24年末までに策定すると盛り込んだ。財務省などは開業規制や地域差をつけた診療報酬の導入を提案し、日医は反発している。
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