岸田文雄首相は、政権発足当初から経済政策を中心に政府内の調整役を担ってきた藤井健志内閣官房副長官補(61)を退任させ、後任に阪田渉・前国税庁長官(58)を充てる方針を固めた。月内にも正式決定する。
複数の政府関係者が明らかにした。阪田氏は1988年に大蔵省(現財務省)に入省し、主計局次長や関税局長を歴任。昨年9月からは、内閣審議官として藤井氏を補佐しつつ、岸田政権が重要課題に据える「デジタル行財政改革」の事務責任者も務める。引き続き物価を上回る賃金の実現や定着に向けた経済政策のほか、大阪・関西万博の実施などの対応を担うことになる。
藤井氏は安倍政権下の2020年6月に副長官補に就き、新型コロナウイルス対策や東京五輪・パラリンピックの開催延期など、4年にわたり政権の重要政策に携わってきた。岸田政権発足後は「賃金と物価の好循環」を実現するための経済政策や、小林製薬の紅麴(こうじ)サプリ問題への対応も担った。
内閣官房副長官補は特別職の国家公務員で、内閣官房に「内政」「外政」「事態対処・危機管理」担当の計3人を置く。藤井氏は内政担当。(鬼原民幸)
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