英自工会は十分な政府支援があれば、EV生産台数は2035年に100万台以上になると試算した(写真は英工場の「リーフ」生産ライン)

【ロンドン=為広剛】英自動車工業会(SMMT)は25日、政府の十分な財政支援があれば英自動車市場は今後10年で最大500億ポンド(約10兆円)の成長機会があるとの試算を発表した。英国は7月4日に総選挙を控える。選挙前に、ガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトなどに向けた政府支援の必要を訴えた。

英自工会の試算では、消費者への補助金などの政府支援があれば2035年までに国内1700万台のガソリン車がEVなど二酸化炭素(CO2)を排出しないゼロエミッション車(ZEV)に置き換わっていく。EVの年間生産台数は100万台以上になり、市場の拡大を支えるとしている。

英政府は24年、ZEV販売の販売比率を各社に義務づける「EVマンデート」を導入した。24年の22%から徐々に比率を引き上げ、達成できない場合は乗用車1台あたり1万5000ポンド(約280万円)の罰金をメーカーに科す。この達成に向けても政府補助金など需要喚起策が必要と訴えた。

英自工会は今後3年間でEV購入にかかる付加価値税を半額にするだけでも、同国内でのZEVの新規登録台数は従来予想から30万台増えると見通す。マイク・ホーズ会長は「選挙の結果に関わらず、次期政権と自動車産業が協力し共に成長していきたい」と強調した。

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