選択的夫婦別姓制度の早期導入を求める提言を今月公表した経団連の幹部らが28日、小泉龍司法相、上川陽子外相らと相次いで面会し、関連法案の提出などを求める提言書を手渡した。経団連の魚谷雅彦ダイバーシティ推進委員会委員長は「多くの女性の期待がある」などと訴えた。

 法制審議会(法相の諮問機関)は1996年に導入を答申したが、自民党内の反対論が強く法案提出には至っていない。外務省で対応した上川外相は「どう取り組んでいくかについて、何らかのサジェスチョン(提案)をいただけたら」と応じた。ただ、これに先立つ記者会見で導入への賛否を問われても、「広く国民全体に影響を与える。しっかり議論し、幅広い国民の理解を得る必要がある」と述べるにとどめた。

 法務省で提言書を受け取った小泉法相は「さまざまな意見があるが、大勢の方に参加してもらって幅広く検討したい」と述べた。

 世界で夫婦同姓が強制されている国は日本だけだ。自民内に反対の声が強いなか、経団連は今月10日、通称として旧姓の使用が進むビジネスの現場では弊害が生まれているとして、国会での「建設的な議論」などを求める提言を公表。改めて自民の対応が注目されている。(久保田一道、松山紫乃)

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