政府はサイバー攻撃の兆候を捉えて事前に対処する「能動的サイバー防御」の導入に向け、1日付で内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の陣容を拡充した。幹部ポストも増やし、国家安全保障局や関係省庁から起用した。早ければ秋の臨時国会に関連法案を提出したい考えで、その準備にも当たる。

能動的サイバー防御の導入に関し、2022年末に改定した国家安保戦略は、NISCを発展的に改組して新たな司令塔機能を置くとした。今回の人事はこれに沿ったものだ。

具体的には、国家安保局の飯田陽一内閣審議官がNISCのセンター長代理、内閣官房サイバー安保体制整備準備室の小柳誠二室長がNISCの総括副センター長をそれぞれ兼任。経済産業省官房付で元首相秘書官の門松貴氏と、警察庁官房審議官(サイバー警察局担当)の佐野朋毅氏がNISCの副センター長に就く。サイバー安保体制整備準備室の次長に防衛省官房付の飯島秀俊氏を充てる。

サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた有識者会議の初会合に臨む岸田文雄首相(左から2人目)=6月7日、首相官邸

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