上川陽子外相は2日、スリランカのサブリー外相と東京都内で会談し、債務不履行(デフォルト)に陥った同国の経済再建に協力する方針を伝えた。スリランカはインド洋のシーレーン(海上交通路)にあり、海洋分野での協力を強化する方針も確認した。

 スリランカは6月末、日本がフランス、インドと共同議長を務める債権国会合で、返済期限の延長などの債務再編条件で最終合意したばかり。上川氏は会談後の共同記者発表で「これまでの債務問題に対する取り組みを高く評価する。透明性が高く、公平な債務編成の実施を期待する」と述べた。サブリー氏は「日本は共同議長として重要な役割を果たし、スリランカを支えてくれた」と謝意を述べた。

 日本政府は今後、スリランカ側と再発防止の合意を交わしたうえで、停止している円借款事業の再開など支援の方向性を協議する。サブリー氏は記者発表で「日本の投資をぜひ再開していただきたい」と求めた。

 スリランカは2000年代半ばごろから他国などから借金して経済開発を進めてきたが、コロナ禍で産業が低迷。22年4月、大半の対外債務の返済停止を発表し、事実上のデフォルトとなった。(高橋杏璃)

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