上川陽子外相は2日、都内でスリランカのサブリ外相と会談した。上川氏はスリランカによる日本やインドなど債権国との債務再編に向けた取り組みについて「高く評価する」と述べた。スリランカは6月末に日本などが議長国を務める「債権国会合」と債務再編について最終合意していた。
スリランカは新型コロナウイルス禍で主力の観光業が低迷し、外貨準備が急減したため2022年にデフォルト（債務不履行）状態に陥った。上川氏は債務再編に関する2国間合意締結に向けたスリランカ政府の意思が確認されれば、円借款事業を早期に再開させる考えを伝えた。
サブリ氏は会談後の共同記者発表で、債務再編や財政再建への日本の支援に謝意を表明した。現在は停止している円借款の再開に期待を示し「電力、港湾、道路を含めた新規投資をしてほしい」と訴えた。
スリランカはインド洋の島国で、中東・アフリカとアジアを結ぶシーレーン（海上交通路）の要衝にある。日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、海洋分野での協力をいっそう強化する方針も確認した。
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