◆防衛費増額の財源、単年度では想定額に届かず
23年度の税収は、好調な企業業績を反映し法人税が伸び、72兆円と4年連続で過去最高を更新した。一方、物価高対策予備費など事業に使われなかった「不用額」は6兆8910億円。想定より増えた税収と予算の不用額は国債(借金)発行の減額などに使われ、残り8000億円余が剰余金となる。財務省(資料写真)
剰余金の半分はまず国債の返済に充てられ、残り半分は防衛費増額の財源に使われる仕組み。23年度は4000億円余だが、前年の22年度は剰余金からすでに1兆円を防衛費に繰り入れており、財務省は「2年平均で年7000億円のラインを越える」とする。だが、来年発表される24年度決算で23年度と同様、剰余金が想定より下回ると、財源不足に陥る可能性がある。 政府の防衛費増額計画は23〜27年度の5年間で総額約43兆円で、決算剰余金のほか、歳出改革や税以外の収入でつくる「防衛力強化資金」で確保される。法人、所得、たばこの3税による増税も想定されるが、実施時期は決まっていない。(市川千晴) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。