東京都知事選は投開票日が7日に迫った。過去最多の56人が立候補し、SNSでも関心の高まりがうかがえる。結果にも影響する投票率の動向を、各陣営はどうみているのか。
- 主な政策への考えは 候補6人のアンケートはこちら
都知事選の投票率は、有力な新顔が争った前々回の2016年は59.73%、新型コロナ禍だった前回の20年は55.00%だった。過去最高は、美濃部亮吉氏が再選した1971年の72.36%、最低は鈴木俊一氏が3選した87年の43.19%だ。
首長選の投票率について、東京大学の内山融教授(日本政治)は、新顔同士の争いと比べて「現職が立候補した選挙は低い傾向がある」と話す。ただ今回は、国政の与野党が事実上対決する構図もあり、「関心は高まっているかもしれない」とみる。
「投票率が上がらないと、前回より票を減らしてもおかしくない」と話すのは、3選をめざす現職の小池百合子氏(71)の陣営幹部。小池氏は自民党や公明党、都民ファーストの会の支援を受けるが、対立候補の中には無党派層への浸透に注力する陣営があるとみる。
一方、前立憲民主党参院議員の蓮舫氏(56)の陣営幹部は「前回並みかその前後くらいでは」と予想する。蓮舫氏は立憲や共産党、社民党の支援を受けているが、小池氏は分厚い組織票に支えられているとみて「投票率が上がらないと、戦いは厳しいものになる」。無党派層の支持を取り込みたい考えを示した。
前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)の陣営幹部は、6月30日時点の期日前投票者数が、前回知事選の同時期と比べて15%上回ったことを歓迎した。政党の支援を受けておらず、無党派層を重視する。「投票率が60%を超えなければ勝ち目はない」と明かす。
AIエンジニアの安野貴博氏(33)の陣営幹部は「前回より高くなると思う」。安野氏らインターネットを積極的に活用する候補が多いとして、「20~30代が興味を持ってくれている」と話す。タレントの清水国明氏(73)の関係者も、ポスター掲示枠が不足した問題などで若い世代の関心の高まりを感じているといい、「投票率は大幅に高くなるのでは」。元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)の陣営幹部も「大幅にアップするのでは」と分析。多数の立候補で、「政策を実現するのは誰なのか有権者も考えると思う」と話した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。